住宅の断熱性能を知るうえで、重要になるキーワードがUA値です。UA値とは外皮平均熱貫流率のことで、室内と外気で熱の出入りしやすさを表します。つまり、UA値が小さいほど、熱が出入りしにくく断熱性能が高い住宅だといえます。

参考元：国土交通省｜【参考】住宅における外皮性能
参考元：国土交通省｜新築住宅の住宅性能表示制度かんたんガイド

住宅の断熱性能を知るために、指標となるのが以下の3つ。基準の低いものから並べると以下のとおりです。

●省エネ基準
●ZEH基準
●HEAT20基準

省エネ基準とは、建築物省エネ法で定められた住宅の省エネ性能の指標。その基準をさらに上回るのが、ZEH（ゼッチ）基準です。ZEHとは、太陽光発電のように再生可能エネルギーを導入したり、住宅の性能を高めたりすることで、電気やガスのようにエネルギーの資源なる一次エネルギー消費量をプラスマイナスゼロにする住宅を指します。

HEAT20基準は、一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会によってつくられた基準です。HEAT20が掲げる住宅外皮水準はG1からG3までの3段階。UA値だけではなく、エネルギーや室温を指標に、省エネ基準やZEH基準よりも厳しい評価基準になっています。

2050年のカーボンニュートラルへの取り組みのひとつとして、住宅の性能を高めていくために、新築時の住宅に求められる基準も段階的に引き上げられています。2025年には省エネ基準適合が義務に。2030年には、それをさらに上回るZEH基準が新築の標準へと引き上げられる予定です。

参考元：国土交通省｜住宅：ZEH･LCCM住宅の推進に向けた取組
参考元：一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会｜HEAT20とは？研究会の概要
参考元：一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会｜HEAT20　外皮性能水準
参考元：国土交通省｜住宅：令和４年度改正建築物省エネ法の概要
参考元：国土交通省｜省エネ基準適合義務化
参考元：国土交通省｜家選びの基準変わります

このような住宅の断熱性能を評価するために、ポイントとなるUA値ですが、評価の基準となるUA値は地域ごとに異なります。日本は、北海道から沖縄まで地域によって気温差が大きいため、基準値が8つに分けられた地域ごとに定められています。山井建設のあるさいたま市は年間平均気温16℃ほどと、年間をとおして穏やかな気候で、東京23区が設定されている地域区分と同じ、6地域に分類されています。6地域のUA値は、断熱基準ごとで以下のように設定されています。

参考元：さいたま市｜中央区の地勢
参考元：さいたま市｜さいたま市の現状
参考元：国土交通省｜地域区分新旧表

このように、断熱性能によって基準となるUA値が異なりますが、実際にUA値の違いで室温や光熱費はどれほど違ってくるのでしょうか。ここからは、さいたま市において、UA値別に室温と光熱費をチェックしてみましょう。

UA値ごとに室温がどれほど違うのかを知るためには、「外皮水準地域補正ツール」を使います。HEAT20が提供しているこのツールは、冬場に暖房を使用していない状態の最低室温や、省エネ基準と比べてどれほど暖房負荷が削減できるかを都市ごとに計算します。さいたま市（6地域）における暖房期最低室温と暖房負荷削減率は、以下のような計算結果となりました。

このように、UA値0.46W/m2・Kよりも断熱性能を高められると、省エネ基準から半分以上も暖房負荷が減り、節電につながるのです。

参考元：HEAT20　外皮性能グレード／2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会公式サイト

UA値別の光熱費は、「設計二次エネルギー消費量×燃料単価」で算出します。設計二次エネルギー消費量は、国立研究開発法人建築研究所による「エネルギー消費性能計算プログラム」を使って割り出します。このプログラムの初期値である床面積120.08㎡を使って算出した設計二次エネルギー消費量に、全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている電気料金の目安単価31円／kWhを掛けた結果が以下のとおりです。

※電気料金は目安単価31円／kWhで算出
※ガス料金は差が出なかったため割愛

このように、UA値が大きい省エネ基準とUA値が小さいHEAT20 G3水準とで比べると、年間で2.5万円ほども差が出ます。たった数万円と感じるかもしれませんが、数十年とマイホームに住み続けるほど、その差は大きくなるのです。

このように、住宅の断熱性能によって室温や光熱費に大きく差が出ます。マイホームで数十年暮らしていくことを考えると、最低でもZEH基準以上。可能であればHEAT20のG1水準からG2水準ほどのUA値が達成できる断熱性能を目指したいものです。

山井建設では、長期優良住宅に認定されている高断熱・高気密・高耐震が叶えられます。断熱性だけではなく、防湿性・施工性に優れたR+パネルを外壁断熱材に採用しているため、結露にも強く、シロアリや結露を防いで室内も快適に過ごせます。高性能な注文住宅を検討している方は、是非山井建設までお気軽にご相談ください。

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